競馬は、騎手が乗った馬が1着を目指して競争します。
その着順を予想して、人々は馬券(勝馬投票券)を買って当たったら配当金を受けとれます。
レースでどの馬が勝つかは、事前には誰もわかりません。
コース上で騎手と馬が自らの持てる力を振り絞って、ライバルたちを退ける必要があります。
馬の能力を一時的に高める又は減ずる薬物を使うことは法律で禁じられている
当然ですが、そのときに馬の能力を一時的に高める又は減ずる薬物を使うことは法律で禁じられています。
なぜなら、そんなことで馬の能力が変わってしまったら、レースの公平性は保てないからです。
能力を高めるだけでなく、減ずる薬物も対象なのは八百長を防ぐためです。
もし出走する馬の関係者が、能力を減ずる薬を使えばその馬は速く走ることができません。
つまり、他の馬が勝つ可能性が高くなります。
八百長は、わざと負ける見返りとして報酬を受け取るので関係者が損をすることはありません。
それでどうやって薬物が使われているのかを確認するのかというと、レースに出走して1着から3着までになった馬、そして裁決委員が指定した馬はドーピング検査を受けることになっています。
裁決委員が指定した馬というのは、例えば本命だったのに不自然に負けた馬などが薬物の使用を疑われるので詳しく調べます。
レースが終了したら、競馬の主催者が対象の馬から尿を採取して、理化学検査を行う決まりです。
その尿というのは、自然に出されたものなのですが、もし尿を出さないときには血液を採取します。
主催者が集めた尿あるいは血液は、国内唯一の競馬のドーピング検査を行う機関である公益財団法人競走馬理化学研究所に送られます。
そこではまずスクリーニング検査を行って、陽性反応がでるかを確認します。
もし、陽性反応がでれば、詳細な分析を行い薬物の種類を特定します。
日本の競馬ではどんな薬物が禁じられているのか?
日本の競馬ではどんな薬物が禁じられているのかというと、当初は競走馬を興奮させるカフェインなど8種類だけでしたが、新たな薬物が使われる度に追加されていき105種類まで増えています。
なので、今後も状況によっては新たな薬物が追加される可能性はあります。
それで、競走馬理化学研究所が行ったドーピング検査の結果が陽性となったときには、その馬は失格になります。
そして、馬主は勝利によって受けるはずだった賞金や賞状を受け取ることができません。
さらに、主催者は違法な行為があったということで警察に連絡をします。
そこからは警察が誰が薬物を使ったのかといったことを調べていきます。
犯人が特定されたならば、規制薬物を使ったということで3年以下の懲役または300万円以下の罰金という刑に処されます。
それに加えて、管理責任がある調教師はその件に関わっているかどうか明確でなくても、管理義務違反ということで処分されます。
では、ドーピング検査の結果を受けて着順が変わるとしても、結果が出る前に着順が確定していれば変更前の着順に基づき払い戻しが行われています。
本来ならば正しい着順を予想した人が払い戻しをうけるべきですが、多くの場合はそうはなりません。
払い戻しを受けた客に配当金の返金を求めることはせず、変更後の着順を的中した客に配当金を支払うこともないです。
なお、使おうと思っていなくても事故で馬が口にしてしまう可能性があります。
というのも、餌に禁止薬物が混入していることもあるからです。
そこでJRAでは事故を防止するために、承認を受けた業者から納品された飼料だけが厩舎に持ち込めるようになっています。
規制薬物はレース後に検出されたとしても失格にならない
あと薬物の中には、能力に影響を与えないけれども馬のために使用を制限するタイプというものもあります。
それを規制薬物といいますが、それはレース後に検出されたとしても失格にはなりません。
ただし、薬の影響下にある期間は、出走ができないルールになっています。
どんな時に使われるのかというと、病気や怪我の治療をする時に使われる薬です。
もし、規制薬物を摂取していた馬が出走していた場合には、調教師が処分を受けることになります。
とはいえ、薬物治療をしていた馬がいるとき、同じ馬房を使っていた馬が掃除が徹底していなかったことで薬入りの餌を食べてしまったという事例も起きています。
この場合には調教師の責任を問うことができないということで、後から処分が取り消されました。
このように、ちょっとした油断で薬物が検出されることもあるので気をつけなければいけません。
このように日本における競馬の薬物規制について解説してきましたが、海外はより厳格なルールを定めています。
この違いが海外への遠征、あるいは海外からの遠征を行う時に問題となることもあります。
たとえば2006年にフランス・ロンシャン競馬場で行われた第85回凱旋門賞で、ディープインパクトが禁止薬物をつかったと失格になりました。
まとめ
その時に検出されたイプラトロピウムは日本では禁止されていなかったので、日本と海外で薬物に対する認識が違うことが明らかになしました。
日本の薬物規制が今後も変わっていくとして、世界のルールにどれだけ合わせられるかが問われています。
出典リンク:当たると評判の暴露王の競馬情報ってどうなの?
最終更新日 2025年6月27日 by lautruche